太陽がマウイに叱られたというハレアカラ山

フラと神話を巡る旅路も、そろそろ終わりに近づいてきました。最終回は、これまで触れる機会のなかったマウイ島の神話がテーマ。ずばり、半神マウイの物語をお届けします。

マウイは純然たる神ではなく半神半人。人間の手助けをたくさんしたことで知られます。数々の偉業がありますが、中でも有名なのが、マウイ島ハレアカラ山を舞台にした物語でしょう。

昔、マウイ島では日照時間が大変短くて、作物の成長も遅ければカパ布の乾きも悪く、皆が困っていました。太陽が怠け者で空を駆け足で渡り、さっさと寝床に帰ってしまうためです。

そこで太陽を懲らしめようと、太陽が暮らす山にやって来たマウイ。太陽に飛びつくとロープで縛りあげ、ひどく叱りつけました。太陽は悲鳴を上げて降参し、これからはゆっくり空を渡ることを約束。その後その山は、ハレアカラ(ハワイ語で太陽の家)と呼ばれるようになりました。

イアオ渓谷のイアオニードルにもマウイ絡みの神話がある

またマウイ島ワイルクにあるイアオ渓谷にも、マウイ伝説が残っています。イアオ渓谷の象徴、高さ380メートルのイアオニードルは、ある青年がマウイによって山に変えられたものとか。青年はマウイの娘を誘惑したため、マウイの怒りを買ってしまったのでした。
 
ある時、マウイはマウイ島とハワイ島をくっつけようと頑張ったこともあるそうです。マウイ島に魔法の釣り針を引っかけると力自慢の男達にハワイ島から引っ張らせたのですが、失敗!マウイ島の一部だけがハワイ島に飛んでいってしまったとか。

今は亡き人気シンガー、イズラエル・カマカヴィヴァオレは、人気ソング「マウイ・ハワイアン・スッパマン(スーパーマン)」の中でマウイの偉業を称えています。確かに英雄というよりスーパーマンという呼称の方が、マウイにはぴったりなのかもしれませんね。

 

ライタープロフィール
プロフィール: 森出じゅん
オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年にハワイに移住し、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。2012年より、ハワイ州観光局ハワイアンカルチャー委員会委員。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニーマガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)がある。
森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex