ヒルガオの一種、パウオヒイアカ

ヒイアカといえば、火山の女神ペレのお気に入りの妹。ペレの命を受けてカウアイ島の酋長ロヒアウを迎えに行く物語は、数々のフラ・カヒコに詠われていますね。ペレがロヒアウと妹の仲を邪推したため、姉妹は物語の最後で決別しますが、それまでペレはヒイアカを溺愛していたのでした。

神話によれば、ヒイアカは女神ハウメアから卵のまま生まれました。この時、ペレはハウメアの太腿から、鮫の神のカモホアリイは頭のてっぺんから誕生しました。

その後ペレはヒイアカを卵のまま、胸に抱いてタヒチからハワイに運んだとか。ヒイアカの正式な名、ヒイアカイカポリオペレは、「ペレの胸の中のヒイアカ」という意味になります。そんな赤ちゃん時代のヒイアカとペレにまつわる、次のような可愛らしい話が知られています。

こちらはホテルの敷地に咲いていたもの

ある朝、スヤスヤと眠るヒイアカを浜辺に残して、ペレは魚獲りに出かけました。ペレが海から上がるとすっかり日が昇っていましたが、浜辺の植物が蔓を伸ばし、ヒイアカを強い陽射しから守るようにして花を咲かせていました。それが写真の花、パウオヒイアカ。ちなみにパウオヒイアカとは、ハワイ語で「ヒイアカのパウスカート」を意味します。

パウオヒイアカはヒルガオ科の一種で、花は直径1センチほど。こんな小さな花がヒイアカに日陰を作っていたとは、卵から生まれたヒイアカはよほど小さかったのでしょうね。

このパウオヒイアカ、ハワイでは乾燥した浜辺地帯などでよく見られます。ワイキキのホテルのプールサイドで見たこともあります。足元に群生する小さな小さなパウオヒイアカ、ぜひ探してみてくださいね。

 

ライタープロフィール
プロフィール: 森出じゅん
オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年にハワイに移住し、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。2012年より、ハワイ州観光局ハワイアンカルチャー委員会委員。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニーマガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)がある。
森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex