ケ・カイ・オ・カヒキによる「カウリヒルア・イ・ケ・アヌ・オ・ワイアレアレ」

ケ・カイ・オ・カヒキによる「カウリヒルア・イ・ケ・アヌ・オ・ワイアレアレ」

フラは大きく分けると、カヒコ(古典フラ)とアウアナ(現代フラ)の2種類。ひょうたん製の打楽器か太鼓の音で拍子をとり、祝詞のようなチャントで踊るのがカヒコ。楽器演奏と歌で踊られるのがアウアナです。どちらもそれぞれ奥深いのですが、日本では「カヒコは同じような踊りに見えて、何曲も見ると飽きてしまう」という声も、時々聞かれます。そんな時つい、「違います、違います。だったらぜひ、これを見てください!」と教えたくなるのが、今年のメリー・モナーク・フェスティバルで踊られた2つのカヒコです。踊られたすべてが面白かったのですが、中でもこの2つはカヒコの醍醐味と面白さで際立っていました。

ひとつは、鍛え抜かれた身体で凛々しい男のフラを見せるケ・カイ・オ・カヒキが、踊った「カウリルア」。カヒコの中でも古い踊りで、ハワイ人にとって三大神聖フラのひとつです。パフ・ドラム(大太鼓)の厳粛な音にのって、古代の踊りらしく簡素ながらも力強い動きで舞う男たち。その昔、神殿でこんなフラが踊られていたと思うと、見ている方も思わず背筋を正してしまう、そんなフラなのです。

ハーラウ・オ・カ・ウア・カニ・レフアによる「ホヌケア:カ・ホヌ・ヌイ・オ・モロカイ」

ハーラウ・オ・カ・ウア・カニ・レフアによる「ホヌケア:カ・ホヌ・ヌイ・オ・モロカイ」

この古式なフラに対して、フラ界の鬼才と呼ばれるクム、ジョニー・ラム・ホーのハーラウ(ハーラウ・オ・カ・ウア・カニ・レフア)が見せたのは、超独創的なカヒコ。モロカイ島に伝わる白い大亀神の伝説を表したもので、踊りはもちろんジョニーの創作。リアルな動きを取り入れた振りつけが彼流のフラで、このフラでも、甲羅柄のパウスカートにククイの葉で頭を飾ったダンサーたちが、亀神がのっそり歩いたり、産卵するためにヒレで砂をかき分けるモーションが入るという奇抜さでした。

神聖すぎてあまりコンペティションでは踊られない古代フラと、このところ数年置きにしか出場しないジョニーの創作カヒコ。同じカヒコでも対極にあるようなフラを一度に見たら、きっと「カヒコは退屈」なんて言えなくなると思うのです。

 

ライタープロフィール
プロフィール: 瀬戸みゆき
グラフィックデザイン学校卒業後、編集プロダクションに勤務し、旅と味のジャンルで編集者&記者に。その後、ハワイ専門季刊誌編集を経て、ハワイへ留学。約14年間、ハワイに住んで旅行誌と雑誌作りに携わる。2001年からはフラ専門誌「フラレア」でも、ハワイ文化とフラの取材、執筆を続けている。また、12年前からアンティ・マリー・ルーと娘ポーレットより学んだフェザーレイ作りの楽しさと奥深さにハマり、フェザーレイ制作を続けながら、講習も開催。