遊び心たっぶりに踊るハーラウ・フラ・オ・カヒキラウラニ

15年前、初めてメリー・モナーク・フェスティバルを生で見ました。当時は、フラやハワイアン音楽についてあまり詳しくなかったけれど、会場に集まった人々の熱気や、観客やダンサーたちが身に着けたレイの香りに、「フラの大舞台、メリー・モナークだ!」と、ただただ感動。カヒコは神話や王族、土地を讃えるフラが多く、意味はわからなくてもその神聖さを感じられたし、アウアナではしっとりしたラブソングで優雅に踊るフラから、フラ楽器を鳴らしながらの元気なフラまで。フラと言っても、いろいろなタイプがあるものだと感心していました。

そんな中、とくに男性のアウアナで、ダンサーたちが踊り始めると観客が妙な歓声を上げる曲があったのです。拍手喝采とは違う、ヒュ~という囃すような盛り上がりの歓声。そんな時、ダンサーたちはというと、どこか色っぽい仕草で踊っています。
「え、何なに?この歌って男女の艶歌? いやまさか。この最高峰の舞台で、そういう類のフラが踊られるはずがない」と思ったのですが、その“まさか”でした。

大らかなハワイアンたちは、昔から、恋人たちが愛を求め合う艶歌をあっけらかんと作り、フラで踊ってきたのです。このタイプの歌やフラは、神や王族を讃えるものと同じくらい、いえ、たぶんそれ以上に見る者を喜ばせます。

踊った曲は♪クウ・スィーティ

今年のメリー・モナーク・フェスティバルでは、ハーラウ・フラ・オ・カヒキラウラニが、「クウ・スィーティ」を踊って、会場を熱く沸かせました。濃密なラブソングの名曲と知られる歌で、「♪魅惑的なあなたの色香が私の身体を包みます。あなたは私を招く。一緒に住みましょう、いつも愛し合うために」。踊りの上手い男性ダンサーたちが、絶妙に意味深さを匂わしながら踊っていました。ハワイ語や歌を知らなくても、あのニュアンスは世界に共通しますね。観客をニンマリと楽しげな顔にさせてしまうのです。

 

ライタープロフィール
プロフィール: 瀬戸みゆき
グラフィックデザイン学校卒業後、編集プロダクションに勤務し、旅と味のジャンルで編集者&記者に。その後、ハワイ専門季刊誌編集を経て、ハワイへ留学。約14年間、ハワイに住んで旅行誌と雑誌作りに携わる。2001年からはフラ専門誌「フラレア」でも、ハワイ文化とフラの取材、執筆を続けている。また、12年前からアンティ・マリー・ルーと娘ポーレットより学んだフェザーレイ作りの楽しさと奥深さにハマり、フェザーレイ制作を続けながら、講習も開催。