今年のナ・ホク・ハノハノ・アワーズで最優秀女性ボーカリスト賞に輝いた、ナタリー・アイ・カマウウ。艶とハリのある甘い声で、ドラマチックに歌い上げる歌唱方で知られています。今は歌姫ですが、じつは26年前、ナタリーはミス・アロハ・フラの栄冠を勝ち取り、舞姫にもなっているのです。

アイというファミリーネームからわかるように、ナタリーはクムフラ、オラナ&ハワード・アイの長女。5歳半からフラを学び、2度目の挑戦で1990年ミス・アロハ・フラになりました。以前、その当時の話をインタビューでお聞きした時、「ミス・アロハ・フラを目指して練習するのは、踊りだけじゃないの。カヒコでオリ(チャント)を唱えるために発声や歌い方を学ぶうち、あら私には歌うこともひとつの可能性?」と、気づいたと言っていました。そして何より、歌うことが楽しかったのだと。それからほどなく、ナタリーはクリスマス・ソングを集めたCDをリリースし、フラから歌へと活躍の場を移していったそうです。

今では次女シェルシーがクムフラとなって両親を補佐しているハーラウ・フラ・オラナ。フラ・ファンならご存知と思いますが、もともと、女性らしく抒情的なフラがクム、オラナのスタイルでした。その抒情的なフラが“ドラマッチック”に変わったのは、2004年だったのでは、と個人的に感じています。それまで夫のハワードさんや他の男性歌手がアウアナ曲を歌っていたのですが、その年はナタリーがヴォーカルを取りました。歌ったのは「ピリ・アロハ」。もともと見ている者の心にぐっと迫ってくるオラナのフラが、ナタリーの歌声で、さらにさらに感動的な名作になったのです。

あの胸に迫ってくる歌声で、切ないラブソングを踊ってみたいと願う日本のフラダンサーも多いのでは? 一度は舞姫と呼ばれたナタリーですから、きっと歌いながら心で踊っているのかもしれませんね。

 

ライタープロフィール
プロフィール: 瀬戸みゆき
グラフィックデザイン学校卒業後、編集プロダクションに勤務し、旅と味のジャンルで編集者&記者に。その後、ハワイ専門季刊誌編集を経て、ハワイへ留学。約14年間、ハワイに住んで旅行誌と雑誌作りに携わる。2001年からはフラ専門誌「フラレア」でも、ハワイ文化とフラの取材、執筆を続けている。また、12年前からアンティ・マリー・ルーと娘ポーレットより学んだフェザーレイ作りの楽しさと奥深さにハマり、フェザーレイ制作を続けながら、講習も開催。