白い大亀の物語を踊ったカヒコ♪ホヌケア:カ・ホヌ・ヌイ・オ・モロカイ

ハワイ島ヒロに、メリー・モナーク・フェスティバルの“名物クムフラ”がいます。名前は、ジョニー・ラム・ホー。彼が50年ほど前に開いたハーラウ・オ・カ・ウア・カニ・レフアは、メリー・モナーク・フェスティバルで何度も優勝し、6人ものミス・アロハ・フラを誕生させました。ここ数年は、それまでトレードマークだった黒いサングラスを銀縁メガネに変えたせいで、なんとなく近所のおじさんっぽさが滲むのですが、以前は頭にバンダナを巻いていて、さながらフラ界のロックンローラーといった風貌でした。

フラの作風は、独創的で劇場型。伝統的なフラを得意とするクムフラが作ったフラと、ジョニーが作ったフラを見ると、「全然、違う踊りだけど、両方フラなの?」と驚くはずです。歌舞伎で言えば、「勧進帳」や「暫(しばらく)」は伝承された演目ですが、3代目市川猿之助の「ヤマトタケル」は、それまでの伝統歌舞伎によりエンターテイメント性を富ませた創作歌舞伎。歌舞伎を知らない人も、観て楽しめるとあって大ヒットした演目。ジョニーのフラは、猿之助のスーパー歌舞伎のようなものです。

砂糖きび畑で働く様子を踊ったアウアナ♪カ・ハナ・マヒコー

過去15年間のメリー・モナーク・フェスティバルで観客を沸きに沸かせたジョニーのフラといえば、トカゲの神が出てくる神話でダンサーがまさにトカゲのように身体をくねらせて踊ったり、野生豚の神の話では男性ダンサーがぶひぶひ鳴きながら、四つん這いになって後ろ足で土を払い飛ばす仕草をしたり。フラは歌や詩の意味を表す踊りですが、正直、ハワイ語を理解できないと、ダンサーがその踊りで何を表しているか、わからないものも多いのです。だから、だれでも見てわかるジョニーのフラは楽しくて面白い。その年のメリー・モナーク出場者が年末に正式発表されますが、そこにジョニーの名前があると、「今年は何を見せてくれるのかな」と楽しみにする人は多いのです。

 

ライタープロフィール
プロフィール: 瀬戸みゆき
グラフィックデザイン学校卒業後、編集プロダクションに勤務し、旅と味のジャンルで編集者&記者に。その後、ハワイ専門季刊誌編集を経て、ハワイへ留学。約14年間、ハワイに住んで旅行誌と雑誌作りに携わる。2001年からはフラ専門誌「フラレア」でも、ハワイ文化とフラの取材、執筆を続けている。また、12年前からアンティ・マリー・ルーと娘ポーレットより学んだフェザーレイ作りの楽しさと奥深さにハマり、フェザーレイ制作を続けながら、講習も開催。